こんにちは!語学学校調査員のマナです。先日ついに行ってきました、"ニュースを聞いて英語を学ぶ"の「茅ヶ崎方式英語 武蔵小山校」体験レッスン。最初から最後まで終始ドキドキ...。だって、ものすごい中身の濃さ、そして充実度!今回は、その模様をお伝えします。(体験日:2019年12月10日)


5+1 English
トレーニング”
って?

体験したのは、東急目黒線・武蔵小山駅から徒歩2分ほどにある5+1 Englsih 茅ヶ崎方式英語武蔵小山校。茅ヶ崎方式英語の教材を使った「時事英語4技能(初級)」のクラスだ。ビルの階段を上がり、緊張しながらドアをノック。すぐに「どうぞー!」と中から明るい声がしてドアが開く。

↑ 教室の入り口には、かわいらしいプレートが

「お待ちしていました、こちらへどうぞ」と、笑顔のSue先生。なんだか優しそうな先生で、ちょっとホッ。

教室に入ると、「飲み物はセルフサービスです。ここにあるものからお好きなのを選んで、ご自分でお茶を入れてくださいねー」と先生。なんだかすでにアットホームな雰囲気。紅茶を入れたマグカップを持って、机に向かう。そんなに広くはないけれどとっても落ち着く教室。みんなでテーブルを囲んで座るスタイルのようだ。

次々と生徒さんがやってくる。どうやら皆さん、仲が良さそう。明るく談笑しながら、マグカップにお茶を入れて着席。開始時刻になりメンバーも揃ったところで、いよいよ、噂の「英語トレーニング」のスタートだ。

↑教室には自由に閲覧できるテキストもたくさん


1.      はじめに宿題の確認
まずは声出し「暗唱」エクササイズ

まず、前に座った人とペアを組む。先生の合図とともに、なんといきなり全員が喋り始める!

↑ 一斉にペアの相手に向かって喋りはじめた

なにやら先週のニュースがいったいどんな話だったか、話しているようだ。しかも、なんとなく丸暗記とかではなく、質問したり答えたりしている。そう、どうやらみんな、自分の言葉で説明しているようだ。わわわ、なにこれ、超真剣...。もちろん、ここで声を出すのを恥ずかしがったりする人はいない。

2.    黙々と書く
「ライティング」エクササイズ

のっけから面食らったその次はライティング。プリントが配られると「あー、これー」「きたー」などと言いながらも全員が黙々と何か書き始めた。皆、手を止めることなくひたすら書いている。ええとなになに、“16歳のスウェーデン少女が、気候変動を止めるために十分なことをしていないと世界の指導者たちを非難した”。す、すごい。これ、本当に初級?みんなこういうのをさささっと書けるのか?

あとから聞いたら、これは前々回に学んだニュースの内容とのこと。最初の「話す」活動は前回の復習で、次の「書く」は前々回の復習、ということらしい。なるほど、これならしっかり定着しそう。

↑ 手を止めることなく、みんな黙々と書く

およそ5分間で、こうした和文3つをその場で英文に。そして自分で書いた英文を、配られた模範英文をもとに自分で添削。それぞれで自分の書いたものと配られた英文を見くらべているようなのだが、「...ハァ〜ッ...」「あっ、そうだった!」「前置詞は"of"かぁ...!」という声が聞こえる。わかっているはずの英文を書いてみて、それでも皆さん、さらに新たな発見や気づきがあるようだ。茅ヶ崎方式では、この「学習者自身による気づき」というのを大切にしているとのこと。なんだかすでに、トレーニングしてる臨場感アリアリなんですけど。

3. 自習内容の確認  
「ワード&チャンク」エクササイズ

次は、単語とチャンクのテスト。これは、茅ヶ崎方式英語の副教材「国際英語教本」の中から、与えられた範囲を自習したものからの出題だ。(茅ヶ崎方式英語では、そもそも英語学習の心構えの根幹をなすものとして「自律学習」をうたっている)。

一気に15個の英単語テストを終えたら、続いて茅ヶ崎ならではの「チャンク」テストだ。まずは何も見ないで、ある程度まとまった英語のかたまり(チャンク)を音声で聞き、その意味を日本語で答えるトレーニング。「チャンク」で意味を捉える特訓。プリントはナシ。皆さん、しっかり自習をして来ているのか、よく聞きとれている様子。流れる音声をきいて、すかさず完璧にアウトプットできるのがとにかくすごい。

4. いよいよ今日のニュース
「リスニング」エクササイズ①

ここまでたったの30分。すでに、教室内は結構な熱気にあふれている。すると、

Sue先生「はい、では次、今日とりあげるニュースね」。

ここから皆でニュース音声を聞く。私も耳をダンボにして聞きはじめる。

ニュースを一回、通しで聞いたあと、Sue先生がみんなにたずねる。

先生「何の話だった?」

生徒「ええと、ネ、ネッシーの話...」

先生「そうそう、ネッシーね!それで?」

生徒「.......」

確かに私も、聞いていて単語は少し拾えたものの、話の意味としてよく理解できない。

すると今度は先生が、このニュースに出てくる小さな意味のかたまり(チャンク)の確認を始めた。確認したチャンクは全部で5つ。英語でその小さな意味のかたまりの音声を流し、皆さんがそれぞれその音声を書き取る。いわゆるチャンクの書き取り、「ディクテーション」、その後、その意味の確認。

こうしてチャンクが定着したあと、いよいよニュース音声をもう一度全部通しで聞く。

生徒「最初に聞いた時より、話のつながりが見えてきた」

チャンク練習をしたことで、皆さんの理解度が一気に上がった様子。これがSue先生の言われる

「聴ける×話せる、読める×書けるは、チャンクのストックで決まる」

ということなのだと理解できた。

5. さらに精聴
「リスニング」エクササイズ②

今度はニュース音声を聞きながらメモをとり、英文全体の意味をしっかりとらえるトレーニング。それはまるで通訳学校の特訓のよう。全文を通しで聞きながら、皆さん一斉にメモをひたすらとりまくる。音声が流れるのはたったの2回。皆さんとにかく真剣だ。

ここでふたたび、3分間のペアワーク。日本語で、ニュースがいったいどんな内容だったのかをディスカッション。どんなキーワードを拾ったか?どんな意味なのか?そこから推測してとにかくディスカッションを重ねる。

ペアワークに続き、今度はSue先生がニュースの背景を説明される。

先生「ネス湖のことを、"Loch Ness" と言っています。”loch”というのはどんな形か知ってる?細長い入江みたいな形なの」。

と、画像でネス湖の形を確認。

続いて先生が、一文ずつニュース音声を流しながら、教室の画面にいろんな絵を次々と出していく。これまでずっと音声だけを頼りに理解をしてきたことを、今度はそれらの絵を見て話の流れをたどるのだ。

↑絵を見ながらニュース音声を聞き、話の流れをたどる

実はこの活動はオーソドックスな茅ヶ崎方式英語とは異なるらしい。茅ヶ崎方式英語は、ラジオニュース形式で書かれた英語をベースとしていて、映像のあるニュースを教材とすることとは一線を画す。映像があると、細かいところはわからなくても何となくわかった気になるものだが、ラジオニュースの場合にはそうはいかない。細かいところまでわかるようになるまでしっかり精聴するので、リスニング力がぐんぐん上がるというわけだ。

ではなぜ、5+1 Englishでは絵を見せるのか?Sue先生に聞いてみた。

先生「流れてくる英語を、頭の中で日本語に訳すのをなくすためです」。

「よく、『英語をいちいち日本語に置き換えるのではなく、英語で理解しなさい』と言われますが、そんな精神論みたいなこと言われても初級の段階でなかなかできるものではないし、howを誰も教えてくれないですよね」。

「じゃあ、howを教えてあげたら、生徒さんは自分でやるのか?と言ったら、たぶんほとんどの皆さんは「なるほど!」とは思うだろうけれど、自分ではまずやらない。だったら強制的にここでやればいいんです」。

確かに。絵を使うと、音声で流れてくる英語も、頭の中でパッとイメージしやすい。しかも、絵の印象も手伝って、忘れにくいですよね。

ちなみに絵を使うトレーニングは初級のクラスのみで、通常はトレーニングの最後の最後に行うのだそうだ。ただ今回は内容が少し難しかったため、生徒の皆さんの反応を見て、途中で見せることにしたとのこと。

6. 聞いて、イメージ化する
「精聴→絵をみて前から意味を理解する」

先生がふたたび絵をどんどん出す。これを見ながら皆で音を聞き、頭の中で英文をイメージ化する。皆さんこの段階で、詳細な情報まで意味をとることができるようになってきた様子!

↑ 絵だけを見ながら音声を聞き、ニュース内容のさらに細かい点まで確認
↑ 先生のリードにしたがって、どんどん聞けるようになってきた

ここでやっと、今日のニュースのスクリプトが配られる。

Sue先生「スラッシュ(/)がついているところでチャンク分けされています。もうひとつ印があるのは後置形容の部分ですね。この2点を意識しながら、もう一度それぞれ自分で読み返して見てください」

みな黙々とスクリプトを読み始める。シャドーイングのようにぶつぶつと小さく声を出しながら読み進めている人も。スクリプトを読みながら、意味の取り間違いがないか、みなさん真剣に確認する。

すでに80分が経過しているが、教室全体がとにかくものすごい集中力の塊だ。

7. 声に出してみる
「スピーキング」エクササイズ①

そしていよいよ、声に出す。まずは一つの文章をさらに小さな意味に分けたトレーニングシートを使って、意味のかたまりごとに声に出す練習だ。Sue先生は、一人ずつ耳をそばだてて、それぞれの発音を聞きとってまわっている。

↑ 先生がすぐそばでひとりずつ細かく聞き取りチェック

次に、全文が流れる。ニュース英語のスピードに合わせて全員で一緒に読み上げる。バラバラだったパーツのひとつひとつが、ラジオで聞くニュース英語のテンポに近づくと同時に、お話のストーリーっぽく、次第にまとまった形になって聞こえてきた。

次は、ペアでの練習が始まる。やってるみなさんも、見ているこちらも、もう教室全体がテンションマックス。

↑ ペアワークの声出しで、教室内はさらに白熱

ここで気づいたのが、この段階でのペアワークは、向かってすぐのお互いのペアでやるのではなく、なんとわざとクロスでペアを組んで声出しするワークだということ。だから、大きな声ではっきりとアウトプットしないと相手に聞こえないし、聞いているほうもかなりの集中力でもって相手の話を聞かないと聞き取れないのだ。

このペアワークを続ければ、もしかしたら、どんな環境でも相手の目を見て意識して喋ったり、話をしている相手にとにかく集中して聞くといったスキルが確実に身につくのではないだろうか。


8. 聞いた順番に意味を処理する
「スピーキング」エクササイズ②

次に、3人ごとにグループに分かれる。一人が先生役、残りの二人が生徒役になる。スクリプトを見るのは先生役のみ。生徒役は先生の音を聞き、意味を考えながらリピートする。

意味をとらえながらチャンクを声出しする、いわゆる「音だけではなく意味も踏まえた”Repeat after me(私のあとに続けて私が言ったように声出ししてください)”をやるのだ。

先生役と生徒役をそれぞれ交代しながら繰り返す。こうして互いに声出ししているのをじっと聞いていると、英語を英語のまま理解していくスピードが上がっていっていることに気づく。


9.    リズムとイントネーション
「スピーキング」エクササイズ③

さらに今度は各自で1パラグラフずつ、ヘッドフォンをつけてニュース音声を一人で聞きながらアウトプットするトレーニング。1回目は各自でスクリプトを見ながらオーバーラッピングを数回。

↑ 各自ヘッドフォンをつけて一斉にアウトプット

レッスン開始からすでに100分が経過。皆さんの真剣な眼差しと教室の熱気に圧倒されそうだ。負けじとこちらも皆さんの様子を観察していると、なんと不思議なことに皆さん全員、発音もなめらかできれいになっているのだ!

これには本当に驚く。みんなの声が、一定のリズムに乗って、なんとも言えない自然な英語に聞こえるのだ。

↑ 皆さんの発音も驚くほどなめらかに


10.  まるでジムのよう
「加圧」トレーニング

そしてついにトレーニングは終盤へ。ヘッドフォンをはずし、今度はSue先生がこま切れで英語を読む。その後に続けてひとりの生徒がリピートする。先生が次のこま切れを言う。別の生徒がそれに続く。一つの文章が終わったところで、さらに次の生徒が頭から全文を言う。リズムに乗ってどんどん進むので、そのリズムを崩さないように生徒さんも必死。

このトレーニングは、ここまでのエクササイズで意味はもちろん、文の構造が定着したからこそできるのだ。なんとタフな訓練!全文が終わった時には、自然に歓喜の声も上がる。

11.    総仕上げのQ&A
「理解度テスト」

ここで、今日聞いたニュースに関する理解度テストの音声が流れる。生徒さんはすらすらと回答。最初は、理解度「ええと、ネ、ネッシーの話...」だったのに、すごい。

Sue先生が皆さんに問いかける。

先生「なんかだいぶゆっくり聞こえなかった?」

皆さん「聞こえたー!」


12. 最後に
「リーディング」「ライティング」

エクササイズはこれで終わり。読み物と課題シートが配られる。読み物は、今日聞いたニュースに関連する新聞記事。課題は、今日聞いたニュースの概要を英語で書くこと。回によっては、その日のニュースに関連したお題でエッセーライティングを書く、ということもあるらしい。

ライティングについては、自由課題で、学習した人は次のクラスの時に先生に提出し、先生が添削をして返してくれるらしい。生徒さんによると、いざ自分で書いてみると、この動詞は他動詞なんだっけ?と、自ら辞書を引いて調べることも増え、それがとても勉強になるのだそうだ。

また、学習したニュースを使って外国人との英会話レッスンも受けられるオンライン講座も用意されている(こちらはオプション、2,500円/月、消費税別)。

体験レッスンを終えて

「こんな英語レッスン、見たことない」。それが、体験を終えた直後の私の率直な感想でした。非常に濃密な120分。まさにすぐ目の前で驚くほどの即効性も感じ取れました。さらに、レッスンが終わるころにはもう生徒のみなさんの目がとにかくキラキラと輝いていて!とても中身の濃いトレーニングの後、明るい笑顔で元気いっぱいに教室を出られる皆さんの姿は、とても印象的でした。英語に触れる時間を心から楽しみながら、自分たちで意味のあるトレーニングを続けていく。茅ヶ崎方式英語の教室では、まさに一人一人が手応えを感じられる中身の濃いプログラムが提供されている。そして武蔵小山校では、こうしたエクササイズを重ねながら、一緒に成長し合える良い仲間たちにも出会えるのだなと、実感したのでした。